
邪恋の爪痕と片恋の彼
第7章 殻への興味
「――――それは…負けるなぁ」
「……でしょ……?」
トモさんは俺の頭を撫でると――――…店の方に行ってしまった。
――――一人に…しないでくださいよ…。
心のなかでそう呟き…渡されたワインを飲む。
あの人は行為じたいは強引だし、無遠慮だが…ちゃんとエチケットを守ってくれる人で中だしせずコンドームに出してくれる。
スタッフルームで強引にセックスなんてあの人らしいが、店の中でしないところはやっぱりプロだなとも思う。
「腹――――減ったろ?キノコの和風パスタ食うか?」
着替え終わったタイミングで店の方から声をかけられる。
「――――食べます」
そう言うと、俺は店の方に行きカウンターに座る。
