
邪恋の爪痕と片恋の彼
第8章 知らない自分
「元から細身であったから…徐々になら誰も気づかないです――――…しかも、貴方自信が“自分は大丈夫”と、暗示をかけていたんでしょ?栄誉ドリンクや補助食品でギリギリの栄養やエネルギーは補給していたと考えれば…顔色も人前に出れるレベルだった――――…」
俺は自分の腹の恐ろしいまでの醜さに…「嘘だ…」と呟くのが限界だった。
「――――俺が早く気付けはよかったんですけど……。
境井さんの顔をまともに見るのが怖くて…避けてたんで…こんなになるまで気がつきませんでした…」
――――避けてたんだ…。
「チッ……避けてたってことも…今知りました?ムカつきますね」
真壁は横目で俺を睨むと目線を反らした。
