
邪恋の爪痕と片恋の彼
第8章 知らない自分
「悪い――――…確かにここ数週間…ちゃんと寝れてないし…食も細かった…。
でも、こんなに…倒れるまで……酷くなっているとは……気がつかなかったんだ…」
俺は、睨みながらも気を使おうとしている真壁に頭を下げた。
「もし――――…精神的な…アレなら…通院した方が良いんじゃないかとおもって…」
「通院?――――何…科に?」
俺は意味が分からず真壁の顔を覗き混む。
「――――精神科にですよ」
――――精神科?は?
「ちょっ…栄誉…失調…で?」
「ストレスからくる…拒食ともかぎりませんから…」
俺はうつむきこっちを見ようとしない真壁に不安になる。
「拒食…って……」
真壁は大きくため息をつき――――…椅子から立ち上がる。
「今日は…ゆっくり休んでください。その点滴…終わったら看護婦さんが外してくれますから……おやすみなさい」
