
邪恋の爪痕と片恋の彼
第8章 知らない自分
自分が…何故ここまで痩せ細ってしまったのかは……
検討がつく。
検討がつくから――――…
全てが許せない。
許せないから――――…
一点を見つめ――――…動けない。
「……帰りたい…」
そう呟くも…
点滴が…今の俺の状況を示す。
――――帰って…お前に…報告……しないと……。
俺はゆっくり瞳を閉じた。
寝れないのに――――…眠るフリをする。
真っ暗な目の前に…
会いたいアイツを思い浮かべて――――…。
“貴方を避けていたんで――――…”
真壁…?
どうして…?
お前が――――…現れて…俺を睨むんだ?
“好きです”
って……言って…いた――――…のに?
いつから…避けられていたんだろう……。
