
邪恋の爪痕と片恋の彼
第8章 知らない自分
――――…
「――――さ…ん…――――さかぃさ…ん?」
目を開けると…看護士らしき人が病室のカーテンを開けていた…。
「…ぁ――――はぃ…?」
「おはようございます、朝です。今日は検査をいくつかして…異常がなければ退院ですから…。朝食ここに置いておきますので――――無理の無い範囲で食べてくだい」
看護士はカーテンを開けると朝食をベッドに備え付けられたテーブルに置き部屋を出ていった。
「――――朝食…って……」
いつもは朝日が昇る手前で目が覚めていたのに…今日は何故かぐっすり寝ていたらしく、7時過ぎていた。
「!?か――――会社…」
慌ててベッドなら起き上がろうとしたが…体に力が入らない…?
