
邪恋の爪痕と片恋の彼
第8章 知らない自分
「なんですか……それ――――…ズルい…」
真壁は俺から手を離すと…うつむき…そう――――呟いた。
ぶっちゃけ――――…
なんで生きているのか…分からなかった。
野田のいない…世界を考えるのが嫌だった。
でも――――俺は…仕事をした。
なんで…仕事をしているのか…本当に分からなかった。
でも、何かが引っ掛かり……
生きる事を――――…止めなかった。
野田は…俺の気持ちなんか知らずに…
結婚して――――…死んだ。
俺は――――…
野田に自分の気持ちを隠して…
秘めた性癖を…認めないまま………流されて――――…
真壁に…抱かれた。
