
邪恋の爪痕と片恋の彼
第9章 波
「///そ、そうか――――…俺のせいで…好きだった仕事を嫌いになるのは……申し訳ないからな」
落ち込む境井さんは俺の差し出したお茶には口をつけず…指で縁をなぞる。
「――――…まぁ、脱け殻の貴方と仕事をするのは…嫌でした。
でも、仕事も貴方も――――…結局…嫌いにはなれなくて…ここにいるんてすけどね」
「///は…?あっ!――――あっ、あ…そ…そっか…」
一瞬何を言われているか分からなかった境井さんは、俺の言葉を時間差で理解したらしく顔を真っ赤にして手にしていたお茶をギュッと握る。
「……境井さん、俺なら貴方の全てを受けとめられます。貴方が…貴方を見つけられるまで――――…側にいても…いいですか?――――っ~か、側にいます」
「――――…っ!?///あっ、え…」
俺は…境井さんを避けていた数ヵ月を考えた――――…
