
邪恋の爪痕と片恋の彼
第9章 波
この数ヵ月…
本当にイライラしていた――――…
だから、境井さんとの事がなかったかの様に…セフレたちと遊びまくった。
トモさんにも…抱かれた――――…。
でも――――…
やっぱり頭の片隅に境井さんがいて…
俺が…求めた身体の記憶はやっぱり消えてくれなくて…
抱かれた後、境井さんを思い出して…身体が悲鳴をあげた――――。
あの身体が――――欲しい。
俺が――――…境井さんか離れられなかった…。
仕事で境井さんの隣にいると…仕事中だってことも忘れて押し倒したくなる…。
好きだ!と叫びたくなる――――…。
もう…俺が…貴方じゃないと嫌なんだと…
分かった。
そして、目の前で倒れられ――――…
この人がいなくなる……と、思うと恐怖が先に走った。
怖かった――――…
怖かった…。
怖くて――――…祖父に助けを求めてしまった。
大の大人が――――…泣きながら…
「祖父さん――――…助けて!」
と、すがり付いてしまった。
