
邪恋の爪痕と片恋の彼
第10章 手料理と自覚
「まぁ、頑張って借りてましたからね…。ですがこれからは、境井さんも半分出してくれる予定ですし…金銭的には余裕ですね!」
「――――もしかして“俺のところに来ませんか”って…家賃浮かせるためか?」
真壁は「は?」って顔をしながら俺を睨む。
「俺の――――…覚悟を…そういう風に言わないでくださいよ」
“覚悟”――――…そう言われると…返す言葉がない。
「///――――お、おう…、悪い…」
「罰として…今日の晩飯…境井さんが作ってくださいね」
――――は?
俺は隣でニヤッと笑う真壁に「やられた…」と後退りする。
「――――お、俺の…飯…不味いぞ?」
「知ってます」
――――こいつ…
