
邪恋の爪痕と片恋の彼
第10章 手料理と自覚
引っ越し等もなく…真壁の部屋に間借りして…
2週間がたったが――――…
「本当に…家賃半額…で、この金額なのか?絶対違うだろ?」
真壁に家賃の半額を支払う日が来て――――…この不自然さにやっと気がつく俺…。
会社からは少し遠いが、駅近のオートロック、セキュリティ対策万全――――の…新しいマンション!
しかも、防音対策どころか上下左右に気を使わない…不思議な構造の物件…。
「絶対――――…この金額じゃない!真壁、フェアじゃない!」
俺は真壁に提示された金額より多く封筒に入れて渡す。
「だ~からぁ…、フェアですよ!俺はここにモニターとして入ってるんですから!通常より安く借りてるって…何度も言いましたよね?」
「その、モニターってのが……いまいち…理解できん」
「ここはセキュリティー会社の手掛ける物件で、期限つきで住んでるんです!今回は3年…、その間ちゃんとレポート提出してるんです!大きな家財道具もレンタルなので、金のないシングル男子にはラッキーな話です」
「――――なら、尚更…契約違反とかにならないのか?」
真壁の話では、セキュリティーや管理状態の良し悪しを住んで調べる…と、言うモニターらしい。
