
邪恋の爪痕と片恋の彼
第10章 手料理と自覚
胸の奥が――――ポッと温かくなった…。
俺より少し背の高い真壁を見ると――――ニカッと笑う…。
「///…な、なに…作るんだ…?」
「何が食べたいですか?」
「――――パスタ…」
俺は…真壁の作るイタリアンが好きだった。
始めて食べた時から…俺は真壁に胃袋を掴まれている気がしてならない。
「フフフ、今日はナポリタンにしますか?新鮮なトマトが手に入ったんですよ」
「///ナポリタン…?」
トマトケチャップのナポリタンは好きだ。
「フレッシュトマト…使うのか?」
「ええ、トマトケチャップも使いますけど…、境井さんナポリタン好きですか?」
手際よくエプロンをし、トマト片手に笑う真壁に俺は見とれる。
「///好きだ――――…お前が…作るのは…うまそうだ…///楽しみ」
