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邪恋の爪痕と片恋の彼

第10章 手料理と自覚


隣で手際よく作業をしている真壁に指示され俺は料理のサポートを続ける――――…が、少しボーッとしてしまう…


この――――状態を黙って…いるわけにも…いかなくなっている…


「――――?トマト…入れてください、って…境井さん聞いてます?」



「あっ――――…おう!…ぁ…あの…さ…」



俺はカットされたトマトをベーコンや玉ねぎが踊るフライパンの中にそっと入れた。



「――――ん?…なんです?」


真壁は小刻みにフライパンを振りながら具材をトマトとパスタに絡めていく…



「俺――――…///立たないんだ…」


「は?――――ん?立たない?ん?どうしたんですか?」


真壁はサッと混ぜ合わせたパスタに最後の仕上げに塩で味を整えると…俺を見て首をかしげる。



「///ここ……何ヵ月か…分かんないんだけど…///チンコ…反応…してない…


だ、たから!――――…真壁に求められても出来ないし、お前に幻滅……されたくもない……///無理しないで……セフレ…に連絡しても……いいと――――俺は…思う…」



「――――…」



沈黙が怖い――――…。


無意識のうちに…うつむき…足の先を睨み付ける。



酷いことを言っている――――…。



自覚はある…



でも――――…今の俺は真壁に何もしてあげられない…。




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