
邪恋の爪痕と片恋の彼
第11章 思春期物語
そうなると…もう――――ダメで…
俺はどんどんと痩せていった。
自分では分からなかったが…
育児の興味のない母親が俺を引き留めるほどには酷かったんだと思う。
そして、とうとう――――俺は祖父さんの病院に入院させられた。
精神科――――…
診断結果は拒食症…、見るからに誰でも分かる診断で俺は腹のなかで笑っていた。
そもそも――――そこに至る経緯があると言うのに…母親はその事を聞かず知らず…祖父さんに丸投げした。
“拒食症”と言う診断があれば母は満足みたいだった。
「いい部屋選んだから、ゆっくり治しなさい」
その頃、病院の経営に首を出したばかの母には余裕もなかったのだろう、精神科に入れられた息子の心境とか状況とか……かまってられなかったんだと思う。
学校への報告、兄と父への説明――――…
そんな雑務と言っていい事を病院長だった祖父さんがしてくれた。
