
邪恋の爪痕と片恋の彼
第11章 思春期物語
「///お、俺が――――ゲイ…だから…?」
境井さんは持っていたフォークを皿の横に奥とうつ向く。
「それは違うと思いますよ?まぁ、俺が連れてきた患者だってわかってたから…予想はついたかも知れないけど…、基本精神科の医師はローテーションだし…偶然でしょ?――――まぁ、祖父さんが画策してなければの話ですが」
――――多分…画策してるな…
俺はいまだに自分の事に自信がない境井さんに気をきかせる。
「まっ、思春期真っ只中の俺が……4ヶ月も勃起不全だったんです…しかも、拒食症まで――――。俺の若い時に、今の境井さんはソックリですね!」
俺はフォークにパスタを巻き付けるとパクりと口に運び自分で作った絶品ナポリタンを堪能した。
