
邪恋の爪痕と片恋の彼
第13章 けじめと荒療治
居間に行くと――――…真壁が「ナイスタイミング」と、言い朝食が準備出来たことを俺に告げる。
「――――旨そう…」
「旨いに決まってます」
食卓に着くと、真壁は焼きたてのトーストを俺の目の前に置いた。
「いただきます…」
「はい、召し上がれ」
朝食に手を合わせると真壁は嬉しそうに向に座りコーヒーを飲んだ。
見た目も中身も――――…完璧な後輩に助けられてばかりの自分が情けなくも感じるが…
情けない自分が――――今の自分だと思える…。
本当――――…
真壁のおかけで…すべてを見つめ直す事ができそうだ…。
「なぁ――――…今度の休み…一緒に行ってほしい場所があるんだけど…いいかな?」
「――――今度の休みですか?いいですけど…何処に?」
トーストにバターを塗る真壁の手が止まる――――…。
「野田の……墓参り……」
「――――………はい…」
