
邪恋の爪痕と片恋の彼
第13章 けじめと荒療治
――――――――…
「遅くなって…悪い…」
休日――――――、俺と真壁は野田が埋葬された墓の前に立っていた。
墓石には真新しい名が二人分…刻まれていた。
野田 実――――享年28
野田 友香―――享年24
入籍して約…2ヶ月…
二人の夫婦生活は――――…不幸な飛行機事故で幕を閉じた…。
あの日…あの時――――…あの飛行機に乗ってさえいなければ…。
あの日――――…あの時――――…
そんな事を…
いまだに思う………でも――――…
お前は…あの日、あの時…
あの飛行機に乗っていたし――――…
俺は――――…真壁と一緒にいた…。
それは…やっぱり…現実で――――…戻らない…事実。
