
邪恋の爪痕と片恋の彼
第13章 けじめと荒療治
そうだった…俺たちには…やり残したことがある――――…。
「あ~…そうだったな……真壁…待ってて」
俺は自分の部屋に向かうと――――…箱を2つ取り出し…キッチンに戻った。
「――――境井さ~ん、コーヒーに…ミル…ク………――――それ…」
コーヒーを手にした真壁が久しぶりに目にした箱に一瞬目を見開く…
「覚えてたか……これ…」
俺は手にしていた箱をテーブルに置くと蓋を開ける――――。
「懐かしいですね――――この、趣味の悪い“ペアグラス”」
真壁もコーヒーをテーブルに置くと箱の中身であるペアグラスを呆れた感じで見つめた。
「――――これ…一緒に叩き割ろうと思ってな」
「あ――――…覚えてくれたんですか?境井さん…」
