
邪恋の爪痕と片恋の彼
第3章 初恋の芽
それから…少しして――――…
境井さんの目から……【夢】が消えた。
その理由はすぐに分かった。
野田先輩が結婚することとなったのだ…。
同じ職場の俺にも招待状が渡されたのだ…同期の境井さんにはもっと先に渡したに違いない。
(ど~りで…元気がなかったんだ…)
ここ最近の、境井さんの様子から――――…俺は“なるほど…”と、答え合わせをした。
――――な?初恋は…実らない…
特に俺たちみたいな…邪恋を追うものは…。
生きにくい――――…世界なんですよ…
泣かないで…くださいね…境井さん…。
