
邪恋の爪痕と片恋の彼
第3章 初恋の芽
予感はあった。
境井さんを、目で追うようになってから何故か、付き合っていた人と距離が出来た。
まぁ、身体だけの関係だったような人だったから…俺の中ですぐに切り替えが出来た。
相手は――――どうか知らないけど…。
半同棲みたいな事をしていた俺はあっという間に恋人からマンションを追い出された。
快適だったお高目のマンションを追い出されたのは痛いが…自分の殺風景なアパートに帰るだけで、何ら不自由はしない。
まぁ、こんな調子で――――…俺は俺の人生を渡ってきた…。
境井さんは…これからど~するんだろう。
普通じゃない【初恋】を受け入れ――――俺みたいに…フラフラ人生を渡るのか…
それとも、
無かった事にして、普通の人生に戻るのか…。
