
邪恋の爪痕と片恋の彼
第4章 日常訓練
「――――境井さん…?」
「あ…あ…ぁ」
真壁に声をかけらてれ俺は目的の課に足を進める。
いかん…いかん――――仕事中だ私的なことで頭をいっぱいにするのはやめよう…。
「失礼します。メディア宣伝部です――――秋のハウジングギャラリーの資料もらいに来ました」
部署に入り、挨拶をして部長の所に行くと「お?やっぱり担当は境井になったか」と、声をかけられた。
「はい、大きなギャラリーはいつも俺と野田に話が来るので。今回は、真壁ですが」
「お?真壁か――――…お前、メディア宣伝に移動したのか?」
「伊藤部長、お久しぶりです。営業の時はお世話にやりました」
前の部署は営業だった真壁と、企画課の伊藤部長は顔見知りみたいだ。
「これから、やり取りが続くと思いますのでよろしくお願いいたします。で、資料はありますか?」
伊藤部長は準備していた資料を取り出すと、一人の男性に声をかけた。
「御船(みふね)、メディア宣伝部ともこれからやり取りするから、連絡先交換しとけ」
すると、デスクか物静かそうな男性が立ちあがりこちらに向かってきた。
「はじめまして、秋のハウジングギャラリーを担当することとなりましま、御船 文也(みふね ふみや)です。よろしくお願いいたします」
男性は俺と真壁に名刺を渡すと柔く笑った。
「はい、こちらもよろしくお願いいたします」
俺も名刺をだし挨拶を済ませると、真壁も俺に続いて名刺交換をした。
