
邪恋の爪痕と片恋の彼
第4章 日常訓練
「あっ、すみません――――…ギャラリーのコンセプトとか決まっていたら、軽くでいいんで聞きたいんですけど」
御船は部長の背中が消えるまで見守ると、柔らかく笑い俺たちを会議室に案内した。
「資料の中にもっと詳しい事は書いてありますが、テーマは【守る家】です!」
御船は、俺たちが広げた資料の中からこれから建てる家のデザイン画を見せ力強く言う。
物腰が柔らかそうな御船から、力強いその言葉を聞き俺はグッと引き付けられた。
「【守る】とは、大きくでしたね!」
そして、もう一件のデザイン画を取り出した御船は俺たちの顔を見て、
「そして、もう一件は【未来の家】です」
と、興奮ぎみに見せた!
「【守る】【未来】とは…」
それから、御船は俺たちに秋のハウジングギャラリーのコンセプトや流れを教えてくれた。
「――――と、簡単ですが…こんな感じでギャラリーは進めていきます」
――――簡単って…結構…話したぞ…御船さん…
時計を見ると、軽く説明を聞こうと思っていた時間を大幅にオーバーしていた。
