
邪恋の爪痕と片恋の彼
第5章 残りカスの薫り
会社を出ると、飲み屋に向かおうとする境井さんを引き留める。
「――――ん?真壁?」
「プレゼント持ってきたんで、境井さんの家に招待してくださいよ。酒は、近くのスーパーで買って、宅飲みしましょ?おつまみなら俺が作りますから」
「――――は?……///え?」
と、惚けていた境井さんがだが徐々に顔色が変わり赤面していく。
「は?――――宅飲みって…俺の家で?」
「ええ、勝手知ったる――――ってヤツです」
そう言うと駅に歩き出す俺に、動揺する境井さんの顔は――――…仕事モードではなくなり…とても可愛らしく感じた。
「///そっちの顔も…なかなか…」
俺の呟きは聞こえていなかったのか――――…境井さんは「///部屋…汚いぞ?」と、可愛らしい事を言っていた。
