
邪恋の爪痕と片恋の彼
第5章 残りカスの薫り
境井さんのアパートに着くと、玄関先で少し待たされた後「いいぞ」と、入室の許可がおりた。
――――部屋片付けるために待たせられるなんて…新鮮だなぁ…
自分で言うのもなんたが…俺は、男にも女にもモテる。
俺から「部屋に行きたい」と、言ったことは……ほぼない。
いつでもウエルカムで、下手すりゃ来て来てオーラが見えるくらいのヤツもいた…。
部屋を片付けるために俺を、玄関で待たせる…なんて…帰られてしまう可能性の高い行動は避けたかったのだろうか…待たせられたことは無い。
「///お邪魔します――――…って、相変わらず殺風景な部屋ですね?」
連休中お世話になった境井さんの部屋は、コザッパリした印象だった。
だからか、相変わらず殺風景で…片付ける必要か?と、待たされた理由が分からなかった。
「///と、トイレとか…風呂場とか……チェックしたんだよ……」
――――そこ?そこのチェックっすか……?
