テキストサイズ

邪恋の爪痕と片恋の彼

第5章 残りカスの薫り


「うゎ…この…サラダ…うまい」


乾杯の後、早速前菜にと口に運んだサラダに仰け反るリアクションをしてくれる境井さん。


元彼に教えてもらった一品で恐縮だが、喜んで食べてもらえるのは嬉しいと思った。


「この爽やかなドレッシングが…ビールに合うな?」


「それは良かったです」


「こ、これもまた…元彼シェフのレシピか?」


――――ん?気づいちゃいましたか?



「凄いな――――真壁…」


境井さんは、サラダを見つめながら目を細める。


「――――な…何が…凄いんですか?」


「あ~…だって…、ちゃんと…自分のモノにしてるじゃないか――――。別れた後も…元彼は…真壁の経験値を上げてくれた……。って、どんな別れたかをしたかは知らないけど……最悪な別れ方をしたって感じはしないな…」


――――///ちょ…ちょ…っと、この人は…何を……?!


「///そ、そうですか?」


「このカルパッチョも旨い――――…」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ