
邪恋の爪痕と片恋の彼
第1章 笑えない話し…
「――――見てましたから…境井さんが野田先輩を見ていたとき…
俺は、貴方を見ていたんですから……分かりますよ」
「――――は?…真壁…?」
意味が分からず…反らしていた顔を真壁に向けた――――…
と、その時…
俺の唇に――――…柔らかい物が触れた。
「――――!?え?」
それが、真壁の唇だと気がついたのは…目の前にあり得ないほど近いアイツの瞳が俺を映していたからだ――――…。
「!?んっ!んんん――――…ん」
――――チュ…
「ふ――――…んっ、んん!?」
唇が触れ――――…放れると思ったが…更なる密着を見せる!?
――――チュク…ぬっ…ちゅ…
舌が――――入って…来た?
真壁の舌は俺の唇をひと撫ですると…スルッと口内に進入してきた!
「まっ、真壁!?」
「――――俺的には…野田先輩が貴方の好意に気がつかず…結婚までしてくれ――――ラッキー…でした」
「///えっ、お――――おい!」
「俺なら――――貴方の視線に気付くのに……」
そう言うと――――…きつく抱き締められる…
