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可愛くなりたい。

第5章 ~あの頃~

屋上を出て教室へ戻るといつも教室にいるはずの美姫達がいない。

どこ行ったんだろうと思っていると携帯のバイブが鳴った。

美姫からだった。

差出人;麻生美姫

件名;至急。

本文;あのさ今から屋上来て。


と言うメールだった。

美姫はいつも絵文字を使うのに今回は使っていなかった。

至急って書いてあるし
急ごっと。

私は急いで教室を出て屋上への階段をかけ上がった。

屋上のドアを開けると美姫達がいた。

でもみんな笑っていなかった。

「あの…「あのさぁ」

私が言おうとすると美姫が喋った。

「柚那さぁ琴音の言ったこと信じてんの?!」

「え?そんなわけないじゃん!」

私が答えると、

「ふ~ん。
でもさぁ怪しいんだよねぇ」

怪しい?!美姫私の事疑ってる?

「そんなことないって!!」

「じゃあさ琴音の事なんとも思ってないなら琴音にゴミ箱かけてきてよ」

は?そんなこと…

「できないんならもう話し掛けて来ないで!!」

本気だ。みんな笑ってない。

「ごめん…私……」
バタンッ

私は屋上を出た。

そこには、
琴音ちゃんが立っていた。

「あはは。琴音ちゃんの言う通りだったよ。」

私は出来る限りの笑顔を作る。

「気にしないで!良かったらアタシと仲良くしようよ」

琴音ちゃんは優しく言ってくれた。

「いいの?」

「うん!だからアタシの事は琴音って呼んでね。」

「うん!
私の事は柚那で良いよ。」

私は嬉しくて琴音ちゃん……琴音の前で泣いてしまった。

ガチャッ

そこに美姫達が現れた。

「美姫!」

私が美姫に話し掛けると、
「話し掛けて来ないで」
と言われた。
さらに
「なに泣いてんのぉ」

「キッモ」

と言う、
美姫達の言葉が突き刺さる。

美姫達がいなくなってから、
琴音が大丈夫だよと慰めてくれた。

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