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可愛くなりたい。

第5章 ~あの頃~

それに気付いた琴音は固まってる私の肩をポンっと叩いて、私の鞄に付いてるガムをとりはじめた。

「ひどいよね。」
琴音が言う。
「うん…」

「元気出して!いじめなんてする人なんてバクハツすれば良いよねー」

バクハツ?!まさか琴音の口からバクハツなんて言葉が出てくるとは思わなかった。

「だね。」

今の言葉がすごく面白くって私は開き直った。

「よしっとれたよ。あ~でも鞄ズタズタだね…」

「いいよ。また新しいの買うから。」
買うって言ってもまたやられたらどうしよ。

「買うなんて勿体ないよ!アタシの家に使ってない鞄あるから柚那にあげる。」

「え?!でも…」

「いいから、ほら行くよっ」

琴音は私の手を引っ張って走った。

琴音ありがとう。

琴音と友達になれて嬉しい。

私はいつのまにか泣いていた。

でもこれ以上琴音に心配をかけないように声を出さずに。

琴音の家に着くと、
「さぁ入って入って♪」

私はされるがままで気がつくと琴音の部屋にいた。

オレンジや黄色みたいな明るい色が沢山あって琴音らしい部屋だった。

琴音はお茶を出してくれた。

お茶を飲んでいると琴音は押し入れをあさっていた。

「あーったあった」
琴音が言った。

私は正直、千と千尋の神隠しのリンかと思った。

「これで良いかな?」
出されたのは水色のリュック

「うん!本当にいいの?」
改めて聞くと

「もっちろん♪」

と言った。

そのあと色々話して私はリュックを貰って家に帰った。

帰り道でも琴音とメールした。

今日は楽しかったねとか
また遊ぼうとか。





これから学校で色々あると思うけど、琴音が一緒なら大丈夫!!

私はそう思った。



そうして、次の日から私はクラスのみんな、特に美姫からのいじめに耐えてきた。

もちろん琴音と一緒に。


















だけど

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