テキストサイズ

可愛くなりたい。

第5章 ~あの頃~

ー数日後ー

その日の琴音は少し静かだった。

いつもよりしゃべらず、話し掛けても素っ気ない返事。

私は何かあると思ったけどあえて聞かなかった。

この日最後の6時間目の学活。

先生が、
「え~今日はみなさんに話すことがあります。実は石川さんが家の事情で引っ越す事になりました。」

え?

うそでしょ??

先生は続ける。
「急に決まったことらしく引っ越すのは来週だそうです。」

来週?!

あと7日しか無いってこと?!

そんな…

琴音の方を見ると下を向いていた。




授業が終わり、私は琴音の家に行くことになった。

琴音の部屋はまだ荷造りされていなかった。

私が気まずそうにしていると琴音が口を開いた。
「あの…柚那黙っててごめんね…お父さんの転勤が昨日急に決まったの。」

「ううん。いいよ。」

「でも…アタシが転校したら柚那が美姫に…」

「大丈夫。私の事は気にしないで」

とは言ったものの、私はメチャメチャ不安だった。

「ねぇ柚那、これから毎日遊ぼう」

「毎日?!うん、いいよ」

すぐ開き直るのは琴音らしいな

「じゃあさじゃあさ~」

こうして私は琴音のペースに乗せられて、これからの予定を考えた。


結果、

土曜日;ショッピングモール

日曜日;柚那の家

月曜日;近くの公園

火曜日;琴音の家

水曜日;カラオケ

木曜日;柚那の家

金曜日;琴音のお別れパーティ

土曜日;琴音引っ越し

と、なった。

明日は琴音とショッピングモールに行く。

琴音の家から帰ると私は早速明日着ていく服を選んだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ