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星の君と氷の私

第12章 12

雫side
今日は司の命日だった

いつもの時間帯にお墓に行って綺麗にして

お花やお供え物を置いて手を合わす

私はこの時間が1番好きだった

司と話してる気がしたから

"ねぇー、司?"

いつも私は心の中で司に話しかける

"どうした?雫"

"私ね彼氏が出来たの"

"あぁ、知ってるよ いい人そうじゃん"

"だけどね、頼り方が分からないの…
だから司のときも頼れなかった"

"そうだったのか"

"もう…大切な人を失いたくない…だから…
逃げてきちゃった…"

ふわぁ、暖かい風が流れ金木犀の匂いがした

まるで司が抱きしめてくれているみたいだった

司も金木犀の匂いが好きでよく香水つけてたなー

"雫、辛いとき悲しいとき1人で抱え込まないで助けてっていいなさい。そしたら助けてくれるから"

"でも…"

"あのとき、真子も俺も雫からの助けてって言う言葉を待ってたんだ"

"そうだったんだ…ごめん"

"謝ることないよ、それに雫はもう1人じゃない
雫、早くその笑顔を見せてよ"

カサっ…後ろで音が鳴って振り返ってみると
そこには駿がいた

「な、なんで…」

「ごめん、話は全部聞いた」

あ、そうなんだ…聞いちゃったんだ

「ごめんね、逃げちゃって。ちょっと辛くてさ」

「雫、あのさ」

「でももう少しで戻ろうと思ってたの、司の命日が終わったらって」

「雫、話を…「だから、もう私は大丈っ…」」

一瞬何が起きてるかわからなかった

でも唇に触れる暖かい感触が

伝わってくる熱が…私の心を静かに溶かしていく

「雫、何回も言うけどもう1人じゃない
一緒に戦うからもう逃げるな」

でも…だって…

伝えたら…迷惑かなって…

言いたいことはたくさんある

なのに、目に涙をためることしかできない

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