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星の君と氷の私

第12章 12

「迷惑なんかじゃない。ちゃんと言わないでどこか消える方が迷惑だから」

「…ごめん…」

「今度から何かあったらちゃんと言って。
一生のお願いだから…」

弱々しく放たれた言葉

駿と連絡も取らなかったこの期間

どれだけ心配してくれたのか、不安だったのが痛々しくわかる

本当に私は…たくさんの人が傍にいたんだね

司、さっき言ってた1人じゃないって

このことだったんだね

私…司が居なくなったあの日からずっと1人だって思ってた

でも転校して駿に出会って心と翔くんと友達になって

真子と仲直りもして…

気づかないだけで私の傍にはたくさんの人がいた

「司!」

私は司の方を向いた

"ほら、言ったろ?雫はもう1人じゃない
これから強くなればいい"

「ありがとう!」

私はあの頃とは違う笑顔を見せた

あの頃は司が死んでしまう恐怖で司が本当に見たかった笑顔を見せることが出来なかったと思うから

涙で顔は酷くなってると思うけど満面の笑顔だったと思う

「また困ったことがあったら相談しにくるね!」

"あぁ、幸せにな"

私は駿の方に向いて自分なりの助けてを伝えた

「駿、帰ったら聞いてくれる?」

「もちろん、全部聞くから」

「わかった」

帰ろうとしたとき、駿が司のお墓に少しだけ手を合わせた

司、また同じことを繰り返すとこだったかもしれない

でも今度は…ちゃんと頑張るよ

だからまた…応援していてね

私たちは司のお家に向かった

ずっと司の家にお世話になっていた

急にきた私に最初は驚いていたけどそれ以上何も聞いてこなかった

だからこそ、安心できて

何事もなく話してくれる2人が大好きで

だからこそちゃんと駿のこと伝えなきゃって思った

それから、駿にちゃんと伝えよう

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