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星の君と氷の私

第13章 13

あれからリビングにいってご飯を食べていると

「顔赤いけど大丈夫?」

って司のお母さんに心配されて

「大丈夫です!」としかえ言えなくて

次の日私は帰る準備をして帰る前に司に
線香をあげることにした

"司、ありがとう"

手を合わせて司に話しかける

"何が?"

"1人じゃなかった"

"気づくの遅いわ笑"

"ごめん…"

"俺はいつでもそばにいるから"

"うん、ありがとう"

「雫、大丈夫か?」

「うん、大丈夫」

「じゃあ帰りますか」

私は司のご両親に挨拶をして戻ることにした

電車から見える風景があの頃と
何を変わっていなくて

ちゃんと戻ってこれたんだ

…あれ、そういえば私帰るところなくない?

引っ越すってこと前住んでいた大家さんには伝えちゃったし

「あの、駿さん」

「どうした?」

「私、お家ないよ」

「あー、大丈夫大丈夫笑 着いたらわかるよ」

着いたらわかる?

どーいうことなんだろう

まぁ着いたらわかるって言ってるし駿のこと信じますか

電車を降りて駿について行くと見慣れたアパートがあった

「あれ、ここって…」

「雫が前住んでいたアパートだよ」

「え、なんで?」

「まぁいいからいいから、入ろ」

中に入ってみると何も変わっていなかった

私が住んでいた頃と同じだった

「なんで…」

「それはね」

駿の話によると

私が司の家に行ってしまったあとに駿は私の家に訪れていて

そこで大家さんに引っ越したよって言われたらしくて

駿は大家さんに頼み込んでいたみたい

"中野は戻ってくるんで部屋をこのままにしといてもらったらダメですか?"って

大家さんも私が荷物とか全部捨てといてくださいって頼んで引っ越しちゃったから

流石に捨てられなかったみたいで

っていう感じでこの部屋があの頃と
変わらないままの理由でした

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