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星の君と氷の私

第3章 3

「大丈夫、大丈夫だから」

駿が私が落ち着くまで抱きしめてくれた

どうしても司の顔が…離れられない

あのときの夢の司の顔が…

どこか悲しそうな司の顔が…

全然忘れられない

「駿…」

私は駿の服を無意識に強く握りしめていたみたい

それに駿はすぐに気づいてくれて

「ん、大丈夫。そばに居るから」

そう言いながら優しく頭を撫でてくれていた

駿に抱きしめられながら数分がたった

やっと何とか落ち着いてきた

「…ごめん。」

私はゆっくりと駿から離れる

「いや、こっちこそごめん。俺が悪いし」

「ううん。あのさ…過去…聞いてくれる?」

「え?」

駿の瞳が大きく見開いた

驚くことはわかってた

だってさっきみたいになった後にそんなこと言われたら普通は驚くもん

本当は話さない方がいいんじゃないかって思う

だって、私の"過去"はあの町に置いてきたんだから

でも…もし、司が毎回毎回夢に出てくるのは違う理由だとしたら?って思ってしまう自分がいる

自分のせいって伝えたいんだなって最初は思ってたけど…

でも、なんか今は違う気がする

気のせいかもしれないけど。

「大丈夫なのか? 無理しなくてもいいよ」

「ううん…駿だから…聞いて欲しいの」

「わかった。ごめん、ありがとうな。もし無理そうなら話さなくていいから」

「うん…」

私はあの町に置いてきた私の"過去"をゆっくりと
話し始めた。

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