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星の君と氷の私

第9章 9

クラスの1人が放った言葉に私は今間抜けな声が出た

いや、なんで私が白雪姫役なの?

ちょっと、仰ってる意味が分からないのですが

「雫ちゃんなら、白雪姫のイメージにピッタリだからさ!みんなもそう思わない?」

先に大道具とか衣装係とか決めていて、確か衣装係の子だった

その子がみんなに問いかけると「確かに」って納得し始めて

納得するんかい!笑ってなって

それに白雪姫のイメージとはって思ったけど

断ろうとしたけど駿が次に進めてしまったから
強制的に白雪姫に決まりました

そして、心と翔はまたもや小人役だった笑

放課後、私は部活が終わるのを待っていた

文化祭の1週間前までは部活があるみたいで

私は部活に入ってないから下駄箱で待つことにした

本人に待っているってことは伝えていない

何から話せばいいのかシナリオを頭の中で考える

数時間後、廊下から話し声が聞こえてきて、駿がきた

「え、雫?」

私の姿を見ると驚いている駿

そりゃあそうだよね

だって本当はいるはずのない人がいるんだもん

「ごめん、先帰ってて!」

「おう!」

駿が同じ部活の子に声をかけ靴を履き替えて来てくれた

「こんな時間まで何してんの?」

「…駿を待ってた」

「電話でも良かったんじゃないの?」

確かに、確かにそうだけど…

でもそれだったら…駿の顔が見えないから

駿が無理した時気づいてあげられないから…

私は気づいたら泣いていた

「ごめん、雫。泣かせるつもりはなかったんだけど!」

「…私も…ごめんなさい」

「ん、分かればよろしい笑」

なんて頭を優しくぽんぽんしてくれる駿だけど

私は駿の顔を見てもう一回謝った

「ごめんなさい…本当に」

「えーと、雫さん?何か悪いことでもしたの?」

私は静かに頷いた

「…出し物…白雪姫になったから…しかも…王子様役にならないようにしてたのに…結果なっちゃった…」

ずっと頭をぽんぽんしていた手が止まった

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