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死んでも愛して

第8章 ハチゾン

女は二十代前半で、スタイルも顔立ちもよかった。

俺の姿を見て、恐怖し、涙を流していた。

ーしかし、ずっと拘束されていたのに、なぜ死んでいないんだ?

社会がゾンビ化してから数ヵ月たっているはずなので、もし、拘束されているままなら、普通はゾンビに食べられているか、餓死しているかで、普通の状態であるはずがなかった。

女は栄養状態も良さそうで、化粧まではしていないものの、髪や爪も手入れされていた。

足元に、排泄物もなかった。

ー誰かが世話をしているのか?

女の前に立ち止まって、考え込む俺を見て、恐怖がピークに達したのか、ついに失禁した。

ぷしゅ!

最初の尿が出たあと、堰を切ったように

じょぼぼぼぼぼぼ~っ

と尿が流れ出た。

「あああ~っ!」

女は情けない顔をして脱力している。

ゾンビを前に裸で拘束され、失禁したのだ。

しかし、その表情にわずかに恍惚の感情が混じっていることに俺は気づいた。

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