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ブラコンですが、なにか?

第3章 Kazunari's lonely day

「……なり、和也」

俺を呼ぶ声とゆらゆら揺れる身体にゆっくりと目を開けた。

「ぅ…ん、しょ…翔にぃ。おかえり……なさい」

目を擦りつつ、重い身体を身体をソファーから起こした。

「早く帰ってきてよかった。また寝てるだろうなって思ったから」

予想通りだったのが嬉しかったのか、翔にぃの顔に笑みがこぼれる。

「どうして?」

翔にぃは心を見透かすようにジッと俺を見つめた。

「俺に……会いたかったでしょ?」

そしてビシッと言い当てる。

「眠たかった……だけだし」


悔しいから……

無駄だとわかっていても下手な言い訳をする。


「じゃあ、寝なきゃね」

「へっ?」

もっと突っかかってくるのかなって思ったら、素直に俺のいい訳を受け入れた。

「行くよ」

「うわっ!なっ…何っ?」

俺の前に来たと思ったら膝下と背中に手を回して抱え上げた。

「ちゃんと捕まらないと落とすぞ」

「やっ、ダメッ!」

翔にぃの腕の力が緩んだので、俺は慌てて首に手を回してしがみついた。


密着してまた違う温かさを感じた。


そしてそのまま俺の寝室まで連れて行ってくれて、ベッドに寝かされた。

「おやすみ……和也」

優しく俺の髪を撫でてくれる翔にぃ。


それが心地よくて……

段々、瞼が重くなっていく。


「おやす…み、しょう……」


俺はゆっくり夢の世界へと入っていった。




その夢の世界は幸せだった。


部屋の外からみんなの声が聞こえて、ノックと共に俺の部屋に来てくれた。


姿を見たかったけど、目を開ける事が出来なかった。


でも何かを話している声は耳に届いた。


小さくて何を話していたかは聞きとれなかったけど、届く声色はとても心地よかった。


そして頬に触れた4回の温もり。



智にぃ、翔にぃ、雅にぃ、潤、みんな大好き。



心の中で呟くと、ゆっくりと白い世界に包まれた。

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