テキストサイズ

ブラコンですが、なにか?

第9章 Be loved by Jun①

「ありがとう」


嬉しそう……というか、少しニヤついている気がする。


「そりゃ、早起きするわな」

「翔にぃ……もしかして可愛い弟の誕生日を忘れたりしてなかった?」

疑いの目を向ける潤。

「サラリーマンは忙しくて、日にちなんて確認する時間ないの!それにお前は可愛くない」

ビシッと言い放つと、翔にぃは俺の後ろに立った。

「可愛いのは和也だけ」

「うわっ!」

いきなりギュッと後ろから抱きしめるから、お茶碗を落としそうになった。

「ちょっと翔にぃ!」

「はいはい、わかってるよ!和也……ご馳走さま」

「ん…っ」

チュッと耳にキスを落とすと、洗面所へと向かった。

「翔にぃだけズルい!」

今度は雅にぃが駆け寄ってきて、後ろからギュッと抱きしめる。

「もしかして感じちゃった?耳……赤いよ」

「いやっ…」

少し掠れた声と耳にかかる吐息。


マジで、朝から止めてよ……


「雅紀、その辺にしとけよ」

暴走し兼ねない雅にぃを智にぃが止めてくれた。

「わかったよ。そんなに怒らなくったっていいだろ?」

雅にぃの目線の先の潤はガッツリ睨んでた。

「智にぃ、雅にぃ、ご飯の用意するね」

俺は火照りそうな身体を払い除けるように立ち上がった。

「手伝うよ」

準備をしていると、智にぃが持っていた茶碗を俺から取り上げた。

「ありがとう」

その間に俺は味噌汁を注いだ。

「和也」

「なに……んっ!」

智にぃの方を向いた瞬間、俺の唇は塞がれた。

開いた隙間から智にぃの舌が入ってきて俺の舌を絡め取っていく。

「ふふっ、ご馳走さま」

ふにゃっと笑うと、俺の注いだ味噌汁をテーブルへ運んでいく。


さっき雅にぃを止めたの智にぃでしょ?

言ってる事とやってる事が違うじゃん。


足に力が入らなくてシンクにもたれ掛かる。


「さーとーしーにぃ!」

リビングに地響きみたいな潤の低い声が響き渡った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ