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ブラコンですが、なにか?

第10章 Be loved by Masaki①

グルルルルル…


「「ふっ、ふふっ…」」

触れた唇の隙間から漏れた笑い声。


「お腹……減ったの?」

「めちゃくちゃ減った」

気まずそうな顔をしながら、俺たちの邪魔をした音を鳴らしたお腹を擦る雅紀にぃ。

「今から作るから待ってて」

「ありがとう」

頬を包むとチュッと俺の唇にキスを落とす。

「今度は鳴らなかったね?もう一回……する?」

首を傾げながら嬉しそうに聞いてくる。


もう一回したら絶対に雅紀にぃは止まらない。


俺もきっと……止まれない。


「しないっ!ご飯、作る!」

強引な雅紀にぃに流されないうちにキッチンへと向かった。

「ちぇっ、したかったのに……」


やっぱりね。

拗ね気味の雅紀にぃの声が背中越しに聞こえた。


「ねぇ、雅紀にぃ。智にぃってご飯いるか知ってる?」

「んー、どうだろう?聞いてみるね?」


どちらにしてもお米は炊かなくっちゃ……


米びつのレバーを押した。


ん?


もう一回レバーを押してみたけど、お米が落ちる音が聞こえない。

上の蓋を開けて中身を確認した。


「あぁぁぁぁ!」

「うわっ!何?和也、火傷したの?」

俺の叫び声に慌てて雅にぃが駆け寄ってくる。

「お米……ない」

「へっ?」

気の抜けた雅にぃの声が聞こえた。


俺が見つめる先の米びつは空っぽ。


「何だぁ、そんな事かよ……」

安心したみたいでその場にへたり込む雅にぃ。

「そんな事じゃないよ。ご飯、作れないじゃん」

雅紀にぃの隣に俺もへたり込んだ。


ピンポーン…


こんな時に不釣り合いのLINEの通知音。


「あっ、智にぃからだ」

チラッと横を見ると、雅紀にぃがスマホを確認してた。


そっか……

智にぃにご飯がいるか聞いてくれてたんだよね。


「そうだっ!」

「うわっ!」

雅紀にぃの声にビックリして俺はまた尻もちをついた。

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