ブラコンですが、なにか?
第10章 Be loved by Masaki①
ふぅー、さっぱりした。
まだ濡れている髪をタオルで拭きながら部屋へと向かう。
雅紀にぃが連れて行ってくれたお店のハンバーグはめちゃくちゃ美味しくて、ペロリと食べてしまった。
今度は、皆で行きたいな。
帰りにお米と明日の買い物を済ませ、家に戻ったけどまだ3人の姿は無かった。
智にぃはスタッフとご飯で、翔にぃと潤は合流して外で食べるらしい。
LINEで雅紀にぃが俺が休めるように動いてくれた。
雅にぃがせっかく俺のために作ってくれた時間。
何をしようかと考えてみたけど、何も思いつかない。
とりあえず、雅にぃの風呂の後に俺も風呂に入ることにした。
いつもより早め、そして長めのお風呂に気分もさっぱり。
今日は雅にぃのお陰でいい一日だった。
もう、寝てるかな?
雅にぃのドアの前で足を止めた。
コンコン…
遠慮がちにドアをノック。
『はーい』
ドア越しにいつもの明るい声が聞こえてホッとした。
部屋に入るとベッドの間接照明をつけ、寝転びながら漫画を読んでいる雅紀にぃ。
「今、いい?」
「ん、大丈夫だよ」
パタンと漫画を閉じ、起き上がる。
「今日は……ありがと」
ちゃんとお礼を言わないといけないけど……
恥ずかしくて目を合わせられないし、声も小さくなる。
「お礼なんていいよ。たまには休まなきゃ。って、夜だけだからあんまりか」
少しトーンが下がった声に慌てて顔を上げた。
「休めてるよ!早めにお風呂にも入れたし。でも逆に時間ができると何したらいいか……」
項垂れていた雅紀にぃは、ぱっと顔を上げるとベッドから降りて俺に近づいてきた。
「雅紀…にぃ?」
「じゃあ、楽しい……気持ちいい時間を今から過ごす?」
顎を掴まれ、いつもとは違う色気を纏った瞳に見つめられるとドキッとする。
それは反則だよ?
「う……ん」
だって俺、この返事しか出来ないよ。