テキストサイズ

ブラコンですが、なにか?

第11章 Be loved by Sho①









「……なに?」

「いやっ、別に」

視線に気づいて智にぃに声をかけると、途端に目を逸らされる。


さっきから視線を感じる。


正確には、翔にぃの部屋を片付け終わってからだ。



それに智にぃだけじゃない。



「さっきから見てるけど……なに?」

「ぶ…っ!」

味噌汁の入ったお椀を口につけたまま俺を見つめる潤に不意打ちで声をかけたら、見事に吹き出してしまった。

「ゲホッ、ゴホッ……急に声かけないでよ」

「知りませーん」

潤は聞いたって絶対に口を割らない。



俺の目線はある人に向いた。



「おっ、俺は……何も知らないよ!」

慌ててご飯をかき込む雅紀にぃ。


それは何かを知ってるって白状しているのと同じですけど?


「雅紀にぃ、何か……隠してるよね?」

最後に残している豚の生姜焼きに箸を伸ばして掴む。

「あっ、俺の生姜焼き!」

雅紀にぃの伸ばした箸は空を切る。

「食べたいなら、隠している事を話して」

「そっ、それは……」

いつもならすぐに口を滑らすのに、今日は珍しく堅い。


「食べちゃうよー?」

口に生姜焼きをゆっくりと運ぶ。

「まっ、待って!」


よしよし、そのまま白状しちゃえ!


「和也」

「ん?「あっ!」」

俺の返事のあと、雅紀にぃと声が驚きの声が重なった。

「ごちそうさまでした」

パクッと翔にぃが生姜焼きを食べた。

「俺の生姜焼きがぁぁぁ。ちょっと、翔にぃ!」

「これでも助けてやったんだぞ?それともさっき雅紀が言おうとした事、代わりに言ってやろうか?」

ニヤリと笑う翔にぃに、睨みつけていた雅紀にぃの威勢は一瞬にして消えた。

「和也も意地悪し過ぎだぞ?」

「だって……」

「それ以上したら、みんなに雅紀の部屋で何してたか言っちゃうよ?」

吐息交じりに耳元で囁かれ、雅紀にぃの部屋での事を思い出し顔が赤くなるのがわかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ