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ブラコンですが、なにか?

第12章 Holiday of Kazunari①

「じゃあ、行ってきまーす!」

「行ってらっしゃーい!早く帰ってきてね?晩ご飯まで俺は作れないから」

お昼は雅にぃに頼んでおいた。


きっとお得意の中華系だろう。


「嫌だ、俺も行く!」

「翔にぃは部屋の掃除!」

「いやぁぁぁ~」

いつもとは立場が逆転している翔にぃの叫びを、玄関のドアを閉めて遮断した。

「和也、行くぞ」

「はーい」

少し前を歩く智にぃの元へ走った。

「智にぃ、久しぶりだよね?外出するの」

「そうだな。最近は部屋に籠りがちだったからな」

仕事が立て込んでいる時は、作業に没頭しているから部屋から出てこない。


食事さえ、疎かにするから心配になる。


「和也だって久しぶりだろ?出かけるの」

「俺は学校行ってるから、外には出てるよ?」

「それは外出とは言えません」

「イテッ!」

ペチンと俺の額にデコピンをするので、食らった部分を擦りながら智にぃを睨んだ。

「それでも俺の方が智にぃより出かけてます」

「はいはい、そーですか」

クスクス笑う智にぃを見て、俺も笑った。


こうやって話すのも久しぶりだし、2人で出かけるなんていつぶりだろ?


もっと今の時間をゆっくり過ごしたいのに、自然と嬉しくて足取りが早くなる。


「ねぇ、映画って……何観るの?」

「なんだっけなぁ?」

ポリポリと頭を書きながら考える。

「えっ?知らないの?」

「だって興味ねーんだもん」


確かに智にぃが映画に行ったなんて聞いた事がない。

ドラマも見ていない。


まぁ、基本ほとんどの事に興味関心がないんだよね。



「ナラタージュ?ってやつみたいだ」

智にぃが財布からチケットを出して確認すると、
それを俺に渡してきた。


ナラタージュ?

あ、CMで予告見たことあるかも。


「ねぇ、これって……誰?」

チケットに載っている一人の男性を指差す。

「えっ?それ、本気で言ってる?」

智にぃは迷うことなく頷いた。

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