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ブラコンですが、なにか?

第13章 Holiday of Kazunari②

ショッピングモールの中にある噴水の前にスーツを着た人の姿。

「翔にぃー」

俺の声を聞いて嬉しそうに笑って手を振った。

「ごめんな、急がして……」

「いいよ。気にしないで」

「ありがとう」

翔にぃがくしゃっと髪を撫でてくれた。


寧ろ、早く会えてうれしい自分がいるし、
翔にぃも嬉しそう。


「じゃあ、先にメシ食うか?俺の奢りだから何でも好きなもの言えよ」

「ふふっ、そのつもりでした」

「だと思った。で、なにする?やっぱり……」

「「ハンバーグ」」

互いの顔を指し合って答えた。

「じゃあ早速、行きますか?」

「うん」


俺たちはショッピングモール内のお店で
ハンバーグを平らげた。

チーズもトッピングして大満足。


「お腹いっぱいで眠くない?」

「大丈夫。だって俺が見たいって言ったんだし」


そう、今日は翔にぃと映画に観に来ている。


色々と複雑な気持ちにはなったけど、中途半端で見終わった『ナラタージュ』の結末が気になって仕方がなかった。

1人で行けばよかったけど、それも寂しいなって思って……


ただ智にぃは前の事があるから誘えない。

雅にぃも智にぃと同じような事になる予感がしたので誘えない。

潤は『松本潤』に似ていて、妙に意識していしまうから誘えない。


その点、翔にぃは一番常識人。

でも映画なんて興味ないかも……と思いつつ、ダメ元で誘ってみたらあっさりOKしてくれた。


で、俺も翔にぃも次の日が休みの金曜日の夜に映画を見ることになった。


公開から日が経っていたのと、夜だから少ないと思っていた観客も意外に多くてそれもカップルばっかり。


「翔にぃこそ大丈夫だった?興味ないんじゃないのかなって思ってたから」

付き合わせてしまった翔にぃに少し申し訳ない気持ちになった。

「そうでもないよ?映画なんて久しぶりに見るし……」

ブザーがなり、ゆっくりと館内の照明が落ちていく。

「和也とデートだからね」

暗がりの中、俺の手をギュッと握った。

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