太郎くんとエッチな災難
第3章 看病
席に戻ると朱里が小さい声で話しかけてきた。
「花、あの嘉山君とすごく仲良いじゃん!花以外誰も話してないのに」
「仲良いってわけじゃ…腕の怪我私のせいだし」
「怖いけど、よく見ると目鼻立ちハッキリしててイケメンだし狙えるんじゃない?」
「え?」
「彼氏欲しいって言ってたじゃん、外国人風の髪の色とカラコンは男子には珍しいけど似合ってるし」
「そんなんじゃないって」
色々あってそんな事全然考えてなかった。
私と嘉山君って出会って数時間でエッチしちゃってるんだった…。
…まだ入ってる時の感覚残ってる。
すると次の時間の現代文の先生が教室に来て授業が始まった。
隣りを見ると嘉山君はまた教科書すら出していなくて私は小声で話し掛けた。
「…嘉山君、教科書出そう?授業で取ったノートはあとで私のコピーするから」
「うるせぇな…ないもんは出せねぇだろ」
「教科書忘れたの?」
「もらってねぇ」
「え?」
「七瀬さん、嘉山君何をお喋りしてるの?」
「はいっ…えっと…嘉山君、教科書まだもらってないみたいなんですけど…」
そう言うと先生は驚いた表情をした。
「あら!本当に?確認してくるからみんなちょっと待っててね」
先生は教室を急いで出て行った。