太郎くんとエッチな災難
第9章 ガールフレンド
「ちょっと花…駄目だってハッキリ言いなよ」
こんな可愛い子に好かれたんじゃ嘉山君だって付き合いたいと思うはずだよ…
「ごめん、気持ちは嬉しいけど俺は彼女と別れる気ねぇから」
「えーつまんない…わかった!じゃあとりあえず連絡先交換しよ?お友達として遊ぶくらい良いでしょ」
愛ちゃんは嘉山君に抱き着きながらそう言った。
「……あのっ……わ、私……先帰るね……親から帰って来いって連絡来ちゃって…」
「え?ちょっと花っ!」
そこにいるのが辛くなって私は自分の荷物を持って笹木君の家を急いで出た。
うぅ…本当の彼女だったら堂々と嘉山君の事取らないでって言えるのに…。
「おい、七瀬っ!」
しばらく足早に歩いていると嘉山君が追い掛けてきた。
「追いかけてこなくていいのに」
「どうしたんだよ急に…っつーか、俺だってあの場に残りたくねぇよ」
「嘉山君…もし嘉山君に気になる子出来たら付き合ってるフリ止めてもいいからね?だから…その…愛ちゃん…可愛いかったから…」
「そういう事か…。俺、向こうにいた時は好きじゃなくても付き合ったりしたけどさ…そういうのはもう止めたから…。次付き合うならちゃんと好きになった子とって思ってんの…だから七瀬がそんな気遣わなくていい」
「…愛ちゃんの事好きになるかもしれないし」
「俺はそんなすぐに好きになんかならねぇよ」
「じゃあ今までちゃんと好きになった人の人数は?」
「……1人」
「1人!?いつ!?」
「言わねぇ…言わねぇけど俺の初恋はかなり遅かったとだけ言っておく」
「それは…好きな人出来るまで長引きそうだね…でも!好きな人出来たらすぐに言ってね!」
嘉山君に彼女が出来る心配はなくなったけど…
なかなか好きにならないなら…
さっき告白しないで良かった……。