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もう一度、君に会えたら

第3章 取引

「ねぇ、吾郎ちゃんは、どうして私なの?
私、年上よ?話しづらくない?」

ブレスを手首に戻しながら、センパイは尋ねる。

「べつに、そんなこと。
気がついたら、好きだったんです」

気がついたら、センパイの姿を探して
気がついたら、夢に見ていて

「話しづらくはありませんけど、あの、本当は…。
もっと同じ目線になりたい。
敬語、とってもいいですか?」

「いいよ。もう卒業したものね」

「じゃあ、、雪……ちゃん…」

本当は呼びすてにしたかったけれど、
それはさすがに、怒らせちゃうかと。

でも、こんな反応になるとは思わなかった。

センパイが真っ赤になって、
照れて、いる?

「雪ちゃん、可愛い」

「やだ、やめてよ」

「本当に可愛いです。
あ、敬語使っちゃった」

ふたりで顔を見あわせて笑った。

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