ここから始まる物語
第3章 山賊退治
山賊たちは剣を振るう手を止めて、いっせいに坂の上を振り返りました。ピスティも、同じように坂の上を見ます。
坂の上には、男の姿がありました。両手をあげています。
奇妙な身なりの男でした。髪は長めでありながら、頭のてっぺんだけはつるりと禿げあがっています。頬はこけていて、とても貧弱そうです。
男は震えていました。
無理もありません。男の脇には、老人がひとりしゃがみこんでいて、その老人に、剣の切っ先を喉元に突きつけられているのです。両手をあげているのは、抵抗しないことのしるしでしょう。
剣を握っている老人は、山賊たちに向かって言いました。
「おぬしら、その三人から離れろ、さもなくば、頭領(かしら)の命はないぞ」
それを聞いた山賊たちは、さすがに逆らうわけにはいかなかったようです。それぞれピスティたちを憎々しげに睨みつけながらも、剣を鞘におさめたのでした。
「去れ」
と老人は言いました。
山賊たちは動きません。
老人は、剣の切っ先をぐいっと頭領の首に押しつけました。貧相な顔つきの頭領は、あわてて叫びました。
「おまえら、早く引き上げろ!」
ひきつるような声で、頭領が叫びました。
それでようやく、山賊たちは囲みを解いて、山の上へ引き上げていったのでした。
この戦い、どうやらピスティたちが勝利したようです。
山賊たちの姿が見えなくなると、ピスティたちはぺたりとその場に膝をついてしまいました。張り詰めていた心が、緩んだのです。
そんなピスティたちに、坂の上にいた老人が駆け寄ってきました。
「はっはっは、待たせたのう。すまん、すまん」
坂の上には、男の姿がありました。両手をあげています。
奇妙な身なりの男でした。髪は長めでありながら、頭のてっぺんだけはつるりと禿げあがっています。頬はこけていて、とても貧弱そうです。
男は震えていました。
無理もありません。男の脇には、老人がひとりしゃがみこんでいて、その老人に、剣の切っ先を喉元に突きつけられているのです。両手をあげているのは、抵抗しないことのしるしでしょう。
剣を握っている老人は、山賊たちに向かって言いました。
「おぬしら、その三人から離れろ、さもなくば、頭領(かしら)の命はないぞ」
それを聞いた山賊たちは、さすがに逆らうわけにはいかなかったようです。それぞれピスティたちを憎々しげに睨みつけながらも、剣を鞘におさめたのでした。
「去れ」
と老人は言いました。
山賊たちは動きません。
老人は、剣の切っ先をぐいっと頭領の首に押しつけました。貧相な顔つきの頭領は、あわてて叫びました。
「おまえら、早く引き上げろ!」
ひきつるような声で、頭領が叫びました。
それでようやく、山賊たちは囲みを解いて、山の上へ引き上げていったのでした。
この戦い、どうやらピスティたちが勝利したようです。
山賊たちの姿が見えなくなると、ピスティたちはぺたりとその場に膝をついてしまいました。張り詰めていた心が、緩んだのです。
そんなピスティたちに、坂の上にいた老人が駆け寄ってきました。
「はっはっは、待たせたのう。すまん、すまん」