ここから始まる物語
第14章 破滅の始まり
ピスティの心は沈みました。が、
「この部屋には、秘密がありそうですぞ」
とゲンが言うではありませんか。
「どういうことだ」
「ここを見てくだされ」
ゲンは、壁の一部を指で撫でています。ピスティが近寄ってみると、なるほど、わずかに壁の色が薄くなっているようです。
「この壁には、おそらく仕掛けのようなものがあるのでしょう。案外、この壁の向こう側に隠し通路が隠されているのかもしれませぬ」
「でも、どうしたら、こんな・・・・・・」
ピスティは、拳で壁を殴ってみましたが、無機質な痛みが手に返ってくるばかりです。
「おらに任せるだよ!」
急に、ライが声を張りあげました。
「何をするんだ!」
「こんな壁、おらが破ってやるだ!」
「無茶だ!」
ピスティは止めましたが、ライは聞きませんでした。
ライは目を血走らせて、肩から壁にぶつかっていきました。ライの体の大きさと、重さのおかげでしょう。壁はずしりと重い音を立てて揺れました。ほこりがさらさらと降ってきます。
ライが、もう三度体当たりをすると、頑丈だった壁はひび割れ、砕け、やがてがらがらと崩れ落ちました。
ゲンの予想は当たっていました。崩れた壁の向こうは、空洞になっていたのです。暗くて深くて、どこまで続いているのかわかりません。でも、この空洞を抜けた先に、レナはいるのかもしれません。
「ライ、大丈夫か」
ピスティは床に跪いて、ライに声をかけました。いくらライの身体が大きいとはいえ、石でできた壁に何度もぶつかったのでは、無傷でいられるはずがありません。ライは痛みに顔をしかめています。が、それでも弱音は吐きませんでした。むしろ強気な様子で、
「おらは大丈夫だ。みんな、レナを助け出しに行くだよ」
と言うのでした。
ピスティはその言葉に、一度大きく頷くと、真っ先に空洞の中へ飛び込んだのでした。
※
空洞へ飛び込んでから、どのくらい走ったでしょう。
「この部屋には、秘密がありそうですぞ」
とゲンが言うではありませんか。
「どういうことだ」
「ここを見てくだされ」
ゲンは、壁の一部を指で撫でています。ピスティが近寄ってみると、なるほど、わずかに壁の色が薄くなっているようです。
「この壁には、おそらく仕掛けのようなものがあるのでしょう。案外、この壁の向こう側に隠し通路が隠されているのかもしれませぬ」
「でも、どうしたら、こんな・・・・・・」
ピスティは、拳で壁を殴ってみましたが、無機質な痛みが手に返ってくるばかりです。
「おらに任せるだよ!」
急に、ライが声を張りあげました。
「何をするんだ!」
「こんな壁、おらが破ってやるだ!」
「無茶だ!」
ピスティは止めましたが、ライは聞きませんでした。
ライは目を血走らせて、肩から壁にぶつかっていきました。ライの体の大きさと、重さのおかげでしょう。壁はずしりと重い音を立てて揺れました。ほこりがさらさらと降ってきます。
ライが、もう三度体当たりをすると、頑丈だった壁はひび割れ、砕け、やがてがらがらと崩れ落ちました。
ゲンの予想は当たっていました。崩れた壁の向こうは、空洞になっていたのです。暗くて深くて、どこまで続いているのかわかりません。でも、この空洞を抜けた先に、レナはいるのかもしれません。
「ライ、大丈夫か」
ピスティは床に跪いて、ライに声をかけました。いくらライの身体が大きいとはいえ、石でできた壁に何度もぶつかったのでは、無傷でいられるはずがありません。ライは痛みに顔をしかめています。が、それでも弱音は吐きませんでした。むしろ強気な様子で、
「おらは大丈夫だ。みんな、レナを助け出しに行くだよ」
と言うのでした。
ピスティはその言葉に、一度大きく頷くと、真っ先に空洞の中へ飛び込んだのでした。
※
空洞へ飛び込んでから、どのくらい走ったでしょう。