ここから始まる物語
第14章 破滅の始まり
まったく光のない暗い空洞の中を、ピスティはずいぶん走りました。額に汗が吹き出て、息が切れています。
もう貼れない――と思った時です。
ずっと前の方に、丸い、オレンジ色の光が見えました。出口が近いのでしょう。
ピスティは、もうひと踏ん張りと思って、足に力をいれてさらに走りました。
やがて、ピスティは、やっとのことで空洞を抜けることができました。
「ここは・・・・・・」
ピスティが出た場所は、森の中でした。
まだ夜が明けたわけではありません。それでもここが森だと分かったのは、ぼんやりとしたオレンジ色の明かりが、あたりを照らしていたからです。
オレンジ色の光の正体は、篝火でした。薄暗い森が、炎に照らされてぼんやりと浮かんでいます。
不気味な雰囲気の中、ピスティは見覚えのある集団をみつけて息を飲みました。
その集団は、揃いの鎧を身につけていました。手には武器も持っています。しかし、鎧も武器もぼろぼろです。しかも体が小さく、やせ細っていて、それでいて目だけは大きくてぎょろぎょろとしているのです。
それは、神でした。ピスティは、彼らが神だとはちっとも思っていませんが、彼らは自分たちのことを神だと言っていました。
神たちは、石でできた建物を取り囲み、何やらぶつぶつと、呪文のようなものを唱えています。
その石造りの建物にも、ピスティは見覚えがありました。崖から落ちたピスティが、目覚めた場所です。そこで、レナとはじめて出逢ったのです。
「ピスティさま!」
不意に名前を呼ばれました。見れば、クリシーが目を丸くしてこちらを見ているではありませんか。
「なぜ、ピスティさまが、こんな所に・・・・・・」
「それはこっちの台詞だ!」
もう貼れない――と思った時です。
ずっと前の方に、丸い、オレンジ色の光が見えました。出口が近いのでしょう。
ピスティは、もうひと踏ん張りと思って、足に力をいれてさらに走りました。
やがて、ピスティは、やっとのことで空洞を抜けることができました。
「ここは・・・・・・」
ピスティが出た場所は、森の中でした。
まだ夜が明けたわけではありません。それでもここが森だと分かったのは、ぼんやりとしたオレンジ色の明かりが、あたりを照らしていたからです。
オレンジ色の光の正体は、篝火でした。薄暗い森が、炎に照らされてぼんやりと浮かんでいます。
不気味な雰囲気の中、ピスティは見覚えのある集団をみつけて息を飲みました。
その集団は、揃いの鎧を身につけていました。手には武器も持っています。しかし、鎧も武器もぼろぼろです。しかも体が小さく、やせ細っていて、それでいて目だけは大きくてぎょろぎょろとしているのです。
それは、神でした。ピスティは、彼らが神だとはちっとも思っていませんが、彼らは自分たちのことを神だと言っていました。
神たちは、石でできた建物を取り囲み、何やらぶつぶつと、呪文のようなものを唱えています。
その石造りの建物にも、ピスティは見覚えがありました。崖から落ちたピスティが、目覚めた場所です。そこで、レナとはじめて出逢ったのです。
「ピスティさま!」
不意に名前を呼ばれました。見れば、クリシーが目を丸くしてこちらを見ているではありませんか。
「なぜ、ピスティさまが、こんな所に・・・・・・」
「それはこっちの台詞だ!」