ここから始まる物語
第14章 破滅の始まり
ピスティは、痺れる腕を抑えながら、いったい何にぶつかったのかと、そのまわりを眺めてみました。しかし、何もありません。
そこで、今度はそっとを手を出してみました。すると、手が何かに触れました。目には何も見えないのですが、手は確実に何かに触れています。平らで、硬いものです。まるで、目に見えない透明な壁が、そこにあるかのようです。
「ふふふふ」
クリシーが不気味な笑い声をあげました。
「神々に手を出すことはできません。そして、神々の呪文は、夜が明けるころには唱え終わることでしょう。そうすれば、魔法使いのレナの命は――」
「うるさいッ」
ピスティは、意地になって、透明な壁を殴ったり蹴ったりし始めました。フウとゲンも、同じように壁に挑んでいます。が、まったく歯が立たない様子です。
ピスティは、その場にぐしゃりと崩れ落ちました。膝と両手を地面につけると、自然と涙があふれてきます。
「レナ! どうすれば助けることができるんだ・・・・・・」
すでに、東の空が紫色に染まり始めています。夜明けが近い証拠です。
「レナ! 頼む! 祠から出てきてくれ! そして、僕に謝らせてくれ・・・・・・」
「大丈夫よ、私は平気だから」
不意に優しい声が聞こえました。
「え?」
ピスティが顔をあげてみると――。
そこには、ずっと求めていた顔がありました。黒い髪に、丸い輪郭。気の強そうな、つり上がった目。それでいながら、猫のように愛くるしい顔つき。
「レナ!」
ピスティは、何よりも先に、レナの体に抱きつきました。
そこで、今度はそっとを手を出してみました。すると、手が何かに触れました。目には何も見えないのですが、手は確実に何かに触れています。平らで、硬いものです。まるで、目に見えない透明な壁が、そこにあるかのようです。
「ふふふふ」
クリシーが不気味な笑い声をあげました。
「神々に手を出すことはできません。そして、神々の呪文は、夜が明けるころには唱え終わることでしょう。そうすれば、魔法使いのレナの命は――」
「うるさいッ」
ピスティは、意地になって、透明な壁を殴ったり蹴ったりし始めました。フウとゲンも、同じように壁に挑んでいます。が、まったく歯が立たない様子です。
ピスティは、その場にぐしゃりと崩れ落ちました。膝と両手を地面につけると、自然と涙があふれてきます。
「レナ! どうすれば助けることができるんだ・・・・・・」
すでに、東の空が紫色に染まり始めています。夜明けが近い証拠です。
「レナ! 頼む! 祠から出てきてくれ! そして、僕に謝らせてくれ・・・・・・」
「大丈夫よ、私は平気だから」
不意に優しい声が聞こえました。
「え?」
ピスティが顔をあげてみると――。
そこには、ずっと求めていた顔がありました。黒い髪に、丸い輪郭。気の強そうな、つり上がった目。それでいながら、猫のように愛くるしい顔つき。
「レナ!」
ピスティは、何よりも先に、レナの体に抱きつきました。