ここから始まる物語
第17章 究極の二択
「でも、レナの力は人びとの願いを叶えることができる。魔法の力は、使い方次第で国を良くする力になる」
「ピスティ、聴いて」
さらに反対するピスティを、レナはなだめました。
「私は――魔法使いなの」
「それは、知ってるよ」
「ピスティは、魔法の力を素晴らしいと思ってるかもしれないけど、おかしいと思わない?」
「何が、おかしいっていうんだい」
ピスティはとぼけたわけではありません。レナが何を言いたいのかが、本当にわからなかったのです。
「ピスティ。考えてみて。私の使う力は、魔法なの。悪魔の力なの。本当に素晴らしい力を、なんで悪魔の力だなんて呼ぶと思う?」
「それは――」
言われてみれば変です。それほどありがたい力なら、もっと他の言い方があります。術とか、超能力とか・・・・・・。なのに、あえて、禍々しいはずの「魔」という言葉を使って「魔法」などと呼ぶのは不自然です。
ピスティが答えに詰まっていると、レナがその答えを自ら言いました。
「いくらすごい力に思えても、その力を使うと悪いことが起こるの。最後には、みんなが不幸になってしまうの。だから、私の力は魔法って呼ばれるのよ」
そう――なのでしょうか。ピスティは、すぐには返事ができませんでした。
「レナ殿のおっしゃりたいことは承知しました。ですが、わしとしても、その――」
言いにくのか、ゲンは言葉を濁して額を指で掻いています。
「レナ殿をみすみす死なせることには、あまり手を貸したくはありませんな。レナ殿は、みずからの命を断つことを、本当にご覚悟なさっていおいでなのですかな」
「ピスティ、聴いて」
さらに反対するピスティを、レナはなだめました。
「私は――魔法使いなの」
「それは、知ってるよ」
「ピスティは、魔法の力を素晴らしいと思ってるかもしれないけど、おかしいと思わない?」
「何が、おかしいっていうんだい」
ピスティはとぼけたわけではありません。レナが何を言いたいのかが、本当にわからなかったのです。
「ピスティ。考えてみて。私の使う力は、魔法なの。悪魔の力なの。本当に素晴らしい力を、なんで悪魔の力だなんて呼ぶと思う?」
「それは――」
言われてみれば変です。それほどありがたい力なら、もっと他の言い方があります。術とか、超能力とか・・・・・・。なのに、あえて、禍々しいはずの「魔」という言葉を使って「魔法」などと呼ぶのは不自然です。
ピスティが答えに詰まっていると、レナがその答えを自ら言いました。
「いくらすごい力に思えても、その力を使うと悪いことが起こるの。最後には、みんなが不幸になってしまうの。だから、私の力は魔法って呼ばれるのよ」
そう――なのでしょうか。ピスティは、すぐには返事ができませんでした。
「レナ殿のおっしゃりたいことは承知しました。ですが、わしとしても、その――」
言いにくのか、ゲンは言葉を濁して額を指で掻いています。
「レナ殿をみすみす死なせることには、あまり手を貸したくはありませんな。レナ殿は、みずからの命を断つことを、本当にご覚悟なさっていおいでなのですかな」