ここから始まる物語
第17章 究極の二択
が、王になった瞬間――つまり、自分の罪を告白する唯一のチャンスに、ピスティはその罪を告白する勇気を持てず、結局、罪を隠したまま王となって、今まで過ごしてきたのです。
さっきのフォビスの言葉を聞く限り、どうやらピスティが隠し続けてきた罪は、すでに国民に広く知れ渡っているようです。そして、目を赤くしているところを見ると、国民はみんな、その罪を許してくれてはいない様子です。
このまま抵抗せずにいれば、ピスティは捕まって、首をはねられてしまうでしょう。
しかし、王が国民を殺すわけにはいきません。城を壊したのですから罪人として処罰できそうですが、彼らをこのような暴徒にしてしまったのもまた、ピスティ自身なのです。知らなかったとはいえ、レナに魔法を使わせて、国民の心を喰わせてしまったのは、ほかならないピスティ自身なのです。それを国民のせいにして処罰することは、ピスティにはできませんでした。
――もう諦めるしかないのか。
ピスティが、なかば覚悟を決めた時です。
「ピスティには手を出さないで!」
レナが、ピスティの前に進み出ました。
「悪いのは、全部私! みんなが不満を抱いているのは、私のせいなの! 私を殺せば国は平和になるから、だからピスティには手を出さないで!」
「やめろ、レナ!」
ピスティはレナの袖を引っ張って、後ろにさがらせようとしました。が、そのピスティの手を、レナは振りほどきました。
「さあ、私を連れていきなさい! そのかわり、ピスティには絶対に手を出さないで!」
「ほう」
レナの訴えに、フォビスが目の色を変えました。じっとりとした視線を、レナに向けています。
さっきのフォビスの言葉を聞く限り、どうやらピスティが隠し続けてきた罪は、すでに国民に広く知れ渡っているようです。そして、目を赤くしているところを見ると、国民はみんな、その罪を許してくれてはいない様子です。
このまま抵抗せずにいれば、ピスティは捕まって、首をはねられてしまうでしょう。
しかし、王が国民を殺すわけにはいきません。城を壊したのですから罪人として処罰できそうですが、彼らをこのような暴徒にしてしまったのもまた、ピスティ自身なのです。知らなかったとはいえ、レナに魔法を使わせて、国民の心を喰わせてしまったのは、ほかならないピスティ自身なのです。それを国民のせいにして処罰することは、ピスティにはできませんでした。
――もう諦めるしかないのか。
ピスティが、なかば覚悟を決めた時です。
「ピスティには手を出さないで!」
レナが、ピスティの前に進み出ました。
「悪いのは、全部私! みんなが不満を抱いているのは、私のせいなの! 私を殺せば国は平和になるから、だからピスティには手を出さないで!」
「やめろ、レナ!」
ピスティはレナの袖を引っ張って、後ろにさがらせようとしました。が、そのピスティの手を、レナは振りほどきました。
「さあ、私を連れていきなさい! そのかわり、ピスティには絶対に手を出さないで!」
「ほう」
レナの訴えに、フォビスが目の色を変えました。じっとりとした視線を、レナに向けています。